絶妙な音楽的感性と完璧な演奏技術を併せ持ったチェリスト、ヨンソンは韓国人チェリストとして母国で期待されている。ソリストとして有数のオーケストラから称賛され、リサイタルや室内楽においても評論家から高い評価を得ている。ここ数年、彼はエクサンプロヴァンス、ヴェルビエ、マンチェスター国際チェロ音楽祭などに参加しており、アルト・ノラス、チョン・キョンファ、チョン・ミョンフン、ボブ・マクファーリン、小野リサなどの著名演奏家と共演しているほか、チョン・ミョンフンの室内楽シリーズにも参加。最近はイギリス室内管のゲスト首席奏者にも就任し、チョン・ミョンフン指揮のソウル・フィルとも共演、2013年3月にはベートーヴェンの三重協奏曲(チョン・ミョンフンは弾き振り)でソウル・フィル定期に再登場した。2010年にはチョン・ミョンフンの推薦で第12回別府アルゲリッチ音楽祭in福岡に出演して好評を博して以来数回参加している。デュオパートナーのアヴィラム・ライヒェルトとのリサイタル・ツアーは2013年と2014年に日本国内で行われ2014年秋には韓国内でもソウル・アーツ・センター公演を含むツアーを行った。また2014年の9月にはチョン・ミョンフン指揮のアジア・フィルハーモニー管弦楽団のソリストに抜擢されチョン・ミョンフンのピアノ、シカゴ交響楽団のコンサートマスターのロバート・チェンとベートーヴェンの三重協奏曲を演奏した(公演後半には首席チェロ奏者としてオケ中でも演奏)。2015年10月にはチョン・ミョンフン指揮ソウル・フィルのソリストとしてサントリーホール「スペシャル・ステージ」に登場予定。
2007年には韓国KBSのラジオ番組「ヨンソンのファミリー音楽」の進行役に抜擢され、2008年にはヨー・ヨー・マもゲスト出演をした。さらにはソウル・アーツセンターでの「11時のコンサート・シリーズ」の進行も任されている。さらには韓国のSKテレコム社が支援するハピー・ミュージック・スクールという国家的アウトリーチ企画の音楽監督とソウル音楽祭の音楽監督にも就任。ヨンソンは今まで数枚のCDを韓国でリリースしているが、2月は日本のオクタヴィア・レコードよりブラームスとシューマンの作品集をアヴィラム・ライヒェルトのピアノでリリースした。このコンビでは2度の日本ツアーを行っている。
彼のデビューは9歳の時、ソウル・フィルハーモニー管弦楽団とのラロの協奏曲で、若い卓越した演奏家に贈られるソウル市長メダルなど多くの賞や奨学金を獲得、その後アーティスティック・リーダシップ賞を獲得したジュリアード音楽院で、その後はイギリスの王立ノーザン・カレッジでも研鑽を積み数々の賞を受賞、そして2002年にはヘルシンキで行われたパオロ国際・コンクールで優勝した。現在はソウルの慶熙大学の音楽科で教授も務めている。現在、カルロ・アントニオ・テストーレ作成による1709年製のチェロを弾いている。
ヨンソンは芸名であり本来の名前はソン・ヨンフン(Young-Hoon Song)である。